2014年06月14日

脳梗塞とは?  脳梗塞の分類  アテローム血栓性脳梗塞

●脳梗塞とは?

脳梗塞(のうこうそく、英: cerebral infarction/英: stroke、別名:脳軟化症(のうなんかしょう))とは、脳を栄養する動脈の閉塞、または狭窄のため、脳虚血を来たし、脳組織が酸素、または栄養の不足のため壊死、または壊死に近い状態になる事をいう。

また、それによる諸症状も脳梗塞と呼ばれる事がある。

なかでも、症状が激烈で(片麻痺、意識障害、失語など)突然に発症したものは、他の原因によるものも含め、一般に脳卒中と呼ばれる。

それに対して、緩徐に進行して認知症(脳血管性認知症)などの形をとるものもある。



日本においては患者数約150万人であり毎年約50万人発症とされている。

寝たきりの約3割、全医療費の1割を用いている。


日本人の死亡原因の中でも多くを占めている高頻度な疾患である上、後遺症を残して介護が必要となることが多く福祉の面でも大きな課題を伴う疾患である。

ちなみに「脳軟化症」の名の由来は、脳細胞は壊死すると溶けてしまうこと(「融解壊死」)から。




●脳梗塞の分類

脳梗塞は、血管が閉塞する機序によって血栓性・塞栓性・血行力学性の3種類に分類される。

臨床病型としては1990年のNIND-V(NINDS: National Institute of Neurological Disorders and Stroke米国国立神経疾患・脳卒中研究所による分類)がよく知られている。

NIND-Vの分類では局所性脳機能障害をTIAと脳卒中に分類する。

脳卒中は脳出血、くも膜下出血、脳動静脈奇形に伴う頭蓋内出血、脳梗塞に分類し、脳梗塞はアテローム血栓性脳梗塞・心原性脳塞栓・ラクナ梗塞・その他の脳梗塞の4種類に分類される。

分類によって急性期治療および再発予防が異なる、NINDS-Vでは臨床病型の特徴は記載されているが診断基準は示されていない。



治験などではTOAST分類やオックスフォードの分類が用いられることもある。

TOAST分類では大血管アテローム硬化(=アテローム血栓性脳梗塞)、心塞栓症(=心原性脳塞栓症)、小血管閉塞(=ラクナ梗塞)、その他の原因によるもの、原因不明の5つの病型に分類される。

診断基準があるため確実な診断が可能であるが、アテローム血栓性脳梗塞と心原性脳塞栓症のリスクが両方ある場合など複数の原因が考えられる場合に診断ができなくなるため、臨床現場では使いづらい。

オックスフォードの分類は症状と画像所見から分類するものである。



●アテローム血栓性脳梗塞

動脈硬化によって動脈壁に沈着したアテローム(粥腫)のため動脈内腔が狭小化し、十分な脳血流を保てなくなったもの。

また、アテロームが動脈壁からはがれ落ちて末梢に詰まったものもアテローム血栓性に分類される。

アテロームは徐々に成長して血流障害を起こしていくことから、その経過の中で側副血行路が成長するなどある程度代償が可能で、壊死範囲はそれほど大きくならない傾向がある。

また、脳梗塞発症以前から壊死に至らない程度の脳虚血症状(一過性脳虚血発作、TIA)を起こすことが多く、このTIAに対する対処が脳梗塞の予防において重要である。

TOAST分類では病巣近位の責任血管に50%以上の狭窄があること、梗塞巣が1.5cm以上であることが診断基準に含まれる。


●アテローム血栓性脳梗塞の危険因子

リスクファクター(英: Risk factor)は、喫煙、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧など。

予防は、抗血小板薬(アスピリン・チクロピジン(英: Ticlopidine)・クロピドグレル(英: Clopidogrel)・シロスタゾール・ジピリダモール(英: Dipyridamole)など)によってアテロームの成長を抑制すること、高血圧・糖尿病・脂質異常症は原疾患に対する加療・コントロールを行うこと、また飲水を心がけて血流を良好に保つことである。



●アテローム血栓性脳梗塞の発症機序(1)

アテローム血栓性脳梗塞もいくつかの機序によって起こることが知られている。

一般的に血栓症は動脈硬化による閉塞である。

心筋梗塞の場合はプラークの破綻によって急激に冠動脈が閉塞する場合がほとんどだが脳梗塞の場合はいくつかの機序が知られている。

まずは心筋梗塞と同様にプラークが破綻する場合がある。粥腫に富み、線維性皮膜が薄い場合は不安定プラークといい、こういったプラークは容易に破綻し、血栓による動脈閉塞をおこす。



血管が閉塞、狭窄するとその灌流域が血液途絶を起こし皮質枝梗塞を起こす。

狭窄部が急激な血管閉塞を起こすと心原性脳塞栓と類似した脳梗塞が発生する。

こういったことは頭蓋外の内頸動脈や頭蓋内の脳主幹動脈に多い(血行力学性によるもの参照)。

また、血管の閉塞や高度の狭窄によって血液供給の境界領域(watershed、分水嶺の意味)が乏血状態となり、さらに血圧低下などの血行動態的要因が加わり梗塞が生じる。

こういったことは中大脳動脈や内頚動脈に多い。

内頚動脈に高度狭窄があり、支配領域の脳血流量低下を伴っている場合には、表層前方では前大脳動脈・中大脳動脈皮質枝の境界、後方では中大脳動脈・後大脳動脈皮質枝の境界領域が最も乏血状態に陥りやすいので梗塞をきたしやすい。

深部では中大脳動脈皮質枝と穿通枝の境界領域に起こりやすい。

この機序によっておこる場合は発症後段階的階段状の進行、悪化が見られる(progressive stroke)。



発症時間は夜に多く、起床時に気がつくことも多い。

もともと極めて慢性に進行してきたと考えられ、こういった梗塞をおこす患者は側副血行路が豊富にある場合が多く、代償が可能な間は臨床症状が乏しいこともある。

posted by ホーライ at 09:29| 脳梗塞の説明 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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